さてさて随分と間が開いてしまいましたが、その2です。その1を読んでいない人はこちらに→「ピンゲラップ島からの脱出 その1」
『ピンゲラップ島からの脱出 その2~連合軍からの攻撃~』
7.そんなある日、いつものように海岸で連合軍の爆撃機を見物しようと待ち構えていると・・・「あれ、今日はいつもと爆撃機の進路が違うぞ・・・。」「まずい!!逃げろ。」と誰かが言った瞬間、上空の爆撃機からの銃撃掃射がTさんらの頭上に降り注いだのでした。
8.ダダダダダッダダダッ!!!!海岸を必死で逃げるTさんをかすめるように弾幕は走りぬけていきます。爆撃機が頭上を通りすぎ、「助かった。」と思ったら、次は船尾からの銃撃がTさんらをさらに狙って来るのでした。ダダダダダッダダダッ!!!!
補足:Tさんたちは浜辺で掃射攻撃をうけ、必死でジャングルに逃げ込んだそうです。その後、宿舎や無線の鉄塔など基地を攻撃されるのを震えながら見ているしかなかったそうです。
9.なんとか逃げ切ったTさんらが見た光景は、目を疑う悲惨なものでした。基地や宿舎は爆撃され、4本の鉄塔もすべて破壊されていたのでした。
10.そして、宿舎に掃除のために集まっていた島民100人も爆撃を受け、逃げてきました。Tさんはオブライアンの名前を叫びました。しかし返事はありません。何度も探してみましたが、オブライアンは見つかりませんでした。彼は爆撃で命を落とした唯一の島民だったのでした。
補足:フンドシ一枚のTさんたちはそれ以外の私物や物資が全て焼かれてしまい途方に暮れていたそうです。
11.爆撃が終わり、全てを失ったTさんらでしたが、奇跡的に小さな無線機が一台だけが壊れずに残っていました。生き残ったTさんら気象官と駐屯兵はその小さな無線でトラック島にある南洋庁トラック支庁に救助の要請を送ったのでした。「撤退ー!撤退ー!救助願いたし。」
補足:当時の南洋庁の支庁は
- サイパン支庁:サイパン島、テニアン島、ロタ島
- ヤップ支庁:ヤップ島
- パラオ支庁:バベルダオブ島、アンガウル島
- トラック支庁:春島、夏島、水曜島
- ポナペ支庁:ポナペ島、クサイ島(コスラエ島)
- ヤルート支庁: ヤルート島(ジャルート環礁ジャボール島)の6つあり、気象観測所もこの6つに出張所がありました。詳しくはこちらをクリック
12.トッラク島の支庁から「3日後に呂型潜水艇にて沖合い3キロの場所に向かえに行く。」との連絡がありました。また、「島民には秘密で脱出すること」との指示もあったのでした。
補足:潜水艇と潜水艦の違いは、当時は小型か大型かの違いだったそうです。くわしくはこちらをクリック
13.潜水艇が到着したその夜、Tさんらは島民のカヌーを使ってピンゲラップを脱出するために海に出ました。しかし、島民のカヌーを漕ぎなれていない日本人たちはたちまち流されたり、転覆したり、流されたりと合流のポイントまでは、到底、たどり着くことができませんでした。
補足:潜水艇は連合軍に攻撃される危険性があった為、着岸できずに沖で待つことになったそうです。こんな写真ですが、脱出は夜に秘密裏に行われてようです。
14、一旦、島に戻ったTさんらは、しかたなく島民に脱出の手伝いを島民に頼むことにしました。そして次の夜、島民たちは心よくカヌーで潜水艇との合流場所まで送ってくれたのでした。「ありがとう、みんな!さらば、ピンゲラップ!」
補足:「本当に島民には助けられた。」と当時のことを語るTさん。島民たちはカヌーの上から手を降って見送ってくれたそうです。
その3に続く~
次回予告!!ピンゲラップ島からの脱出に成功したTさんたち。しかし、連合軍が展開する海域を無事にトラック島まで航行できるのか?!Tさん達を待ち構える数奇な運命とは?!次回堂々の完結です!乞うご期待!
Kawaguchi
















